出資額限度法人といえども、相続時には時価による評価となります。しかし相続人が出資持分の払戻しをうけた場合は、出資額による評価となります。では出資払戻しをうけた相続人が、再度法人に出資をおこなった場合はどうなるのでしょう? 詳細はこちら
医療法人のメリット
医療法人の持分の譲渡は可能でしょうか?
判例では「社団である医療法人の社員が社員の地位ないし社員としての出資に基づき法人に対して有する権利(出資持分)を他人に譲渡することも、医療法人の存立運営をがいするものといえず、当該医療法人の定款に反しないかぎりこれを許されないものと解すべきいわれはない(浦和地裁S57.6.28)」とされています。
ただし、営利会社から医療法人へ出資の譲渡はできますが、社員たる地位を取得することは禁じられていると考えられます。(厚生省健康政策局指導課長回答H3.3.17)これは医療法人の営利行為が禁じられているのと同趣旨です。
医療法人の譲渡により生じた個人所得は、譲渡所得(申告分離)になると解されます。
病院拡張でどうしても借入が必要になったとき、銀行審査などが有利になることがあります。個人経営ですと、どうしても個人の信用力にもとづいた借入しか銀行は実行できませんが、法人化することにより、法人自体の信用力で借入・資金調達ができます。
・第三者による連帯保証が不要になる場合があります(代表者による連帯保証のみでOK)
・銀行との取引を継続することにより、信用力が年々アップしていきます
・リースなども組みやすくなります
医療法人化することにより、社会保険診療の源泉徴収がなくなります。
これにより、手取り金額が増えるため資金繰りが若干楽になります。
個人開業の場合、いったんドクターがリタイアすると免許を返上し、ふたたび開院手続きをしなければなりません。事業引継のときに税務的に不利な取り扱い(譲渡所得・消費税の課税など)をうけるリスクがあります。従業員もふたたび再雇用手続きしなければなりません。
後継者がいらっしゃるドクターにとって、これらは手間であるとともに患者さんの信用の面からいってもデメリットになります。
医療法人なら、法人格は同じのまま役職の変更で処理することができます。
法人勤務中、所得の一部を保険金や共済などで積み立てておいて、ドクターのリタイアメント(退職)時期に退職金として支給することが可能です。
・退職金とすると所得の一部が控除となります
(退職所得控除)40万円×勤続年数:20年以下 70万円×勤続年数:20年以上
・退職金とすると所得の1/2に対して課税されます
医療法人では、利益の分配が禁止されていますので、退職金でドクターに留保した利益を環流するしくみをつくっておいたほうがよいでしょう。
医療法人の設立により、それまで事業所得だったものが給与所得として処理できます。
事業所得は、(事業収入-事業経費)にストレートに課税されますが、法人化してこのうち一部を給与所得にすると、給与所得控除という税制上の特典がみとめられます。
また法人にのこった所得も、平均課税(20~33%)により累進課税による重税から逃れることができます。
個人クリニックを医療法人化することにより、役員(親族など)に所得を分散することができます。
ご存じのとおり所得税は累進課税で、ドクター一人に所得が集中すると多額の納税が発生することになりますが、これを避けることができます。
MS法人と医療法人の出資関係にはどのような規制があるのでしょう? 詳細はこちら
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(平成20年12月現在)
1968/11 東京都世田谷区生まれ
1990/10 公認会計士試験合格
1991/03 早稲田大学政経学部卒業
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